

株式会社イノベーション/ 代表取締役中脇雅裕
「響」の志に迫る。
Q1 志を漢字一字で表してください
私の志を漢字一字で表すと、「響」です。
それは、音や心、魂が響き合うような「共鳴」や「交流」を大切にしたいという想いからです。
音楽に限らず、瞑想やメンタルヘルス、スピリチュアルな活動を通じて、人と人が深く響き合える場を創っていきたいと考えています。
私にとっての「響」は、七色のように色彩豊かでカラフルな“調和”のイメージです。
音が重なり合うことで生まれるハーモニーには、人肌のような温かさと、調和のとれた軽やかさを感じます。
音や音楽に関わるようになったきっかけは、小学2年生のときに観た映画『グレン・ミラー物語』でした。
その世界観に深く感動し、「こんな素敵な音楽があるんだ」と心を動かされて以来、ジャズに魅了され、長年にわたり音楽と共に歩んできました。
Q2 事業内容
①WHAT
②WHY
③HOW
① WHAT
会社が存在している意義 / 何を解決するための誰のための事業なのか
「響」によって、すべての存在の意識をつなぎ直すこと。それが私の願いです。
音・周波数・言葉、そして祈りを通じて、人と人、人と自然が深く共鳴し合い、分断された意識が再び統合されていく、そんな場と体験を創造していきたいと考えています。
量子物理学においても、すべてのものは振動で成り立っているとされているように、「響」は目に見えない次元で私たちをつなぐ、本質的な力です。
私は長年、音楽や音響の世界に身を置きながら、音が持つ“祈り”の力に深く惹かれてきました。
今この時代、人々の心に安心や希望をもたらすものとして、宗教的な枠組みにとらわれない“祈り”が、より一層求められていると感じています。
音楽は、その祈りを軽やかに、誰にでも届くかたちで伝えることができる表現手段です。
演奏や歌を通して奏でられる想いは、そのまま「響」となって人の心に届きます。
だからこそ私は、音の「響」を通じて「共鳴」と「調和」を促し、人々が本来のつながりを思い出せるような社会を目指して活動しています。
②WHY
その会社、事業はなぜ重要なのか
分断された意識・社会・人間関係こそが、世界のあらゆる問題の根源であると考えています。
だからこそ、「響」という根源的なコンセプトを通じて、人類と地球に本質的な癒しと調和をもたらすことが、今、最も求められていると感じています。
私自身、ここ数年、瞑想を学び、国内外で瞑想イベントを開催するなかで気づいたのは、多くの個人の悩みが「内なる分断」から生じているということでした。
顕在意識と潜在意識、本音と建前のように、自分の中に異なる想いが存在し、それらが統合されていないと、葛藤や混乱が生まれてしまいます。
この「内なる分断」は、社会全体にも広がっています。立場や価値観の違いによる対立や分裂が、争いや戦争の火種となることも少なくありません。
しかし、もし人と人、意識と意識、国家や文化のあいだにある隔たりを超えてそれらが調和し「統合」することができれば、私たちが抱える多くの問題は解消に向かうはずです。
そのためには、「響き合い」つまり「意思の疎通」が不可欠であり、そこに文化が果たす役割は極めて大きいと考えています。たとえば、政治的な対立があったとしても、音楽やアート、ファッションといった文化的な交流を通じて、人々は国境や歴史的背景を超えてつながることができます。
私は、こうした「響」と「文化」の力を通じて、分断を超えた再統合のプロセスに寄与したいと願っています。
それは、まさに今この時代に求められている「本質的な癒し」のあり方であり、持続可能な平和と調和への第一歩だと信じています。
③HOW
どのように実現するのか
私は、日本古来の精神性と現代科学を融合させながら、瞑想・ヒーリング・音楽・文化表現などの体験型プログラムを通じて、「響き合い」の感覚を国内外に広げていきます。
具体的には、国内外でのワークショップやリトリート、音楽セラピー、瞑想会などを開催し、人と人、人と自然が共鳴し合う場を創出します。
日本人が持つ“氣を読む力”や“調和を重んじる文化”こそが、今まさに世界に求められている価値であると実感しています。
震災時に人々が秩序を保ち、互いに助け合った姿に象徴されるように、「みんなで生きる」という感性は、分断の時代を超えていくための鍵でもあります。
私たちは、音や言葉、身体表現(歌・演奏・舞など)を用いて、人々の心と意識の目覚めを促し、文化と感性が響き合う“共鳴空間”を育んでいきます。そして、その「響」を共有し、深め合う場づくりを通して、「共生」や「統合」の感覚を体感的に広げていくこと。
これこそが、「響き合いによる再統合」を実現するための、私の具体的な道筋です。
Q3 志事をする上で感じている社会課題を教えて下さい
現代社会では、個人主義の進行や情報過多により、人と人、人と自然、そして自分自身とのつながりが、次第に弱まってきていると感じています。
また、効率性や合理性が重視されるなかで、自然の摂理に根ざした生き方や、心身で感じ取るような芸術的・精神的体験の価値が、見過ごされがちです。
とくに日本人が本来もっている繊細な“感覚”や“感性”、 “氣”を読む力や、調和を大切にする精神性は、学校で教わるものではなく、日々の暮らしの中で自然に育まれてきたものです。
しかし、パンデミック以前から続く効率重視の社会構造や、AIによる急激な変化の中で、そうした感性が軽視され、見失われつつあるようにも思います。
今こそ私たちが求めるべきは、単なるスピードや生産性ではなく、「人と人との深いつながり」や「丁寧なコミュニケーション」、「共に感じ、響き合う場」であると強く感じています。
実際に、日本のアニメや『将軍 SHŌGUN』などのコンテンツが世界中で評価されている背景には、日本人独自の感性や精神性があると考えています。
それは、いま世界が本質的に求めている価値でもあるのです。
私はこうした課題に対し、「響」を軸とした取り組みを通じて、人と人が心でつながり直し、自らの感性と意識を再び目覚めさせるような場を育んでいきたいと考えています。
そして、日本人がもつ感性の価値を再認識し、それを未来へとつないでいくこと。
それこそが、私にとっての“志事”です。
Q4 上の社会課題の中で解決に向けて取り組んでいること、取り組んでいきたいことがあれば教えて下さい。また、解決に向けて良い愛dea(アイデア/愛のある発想)があれば教えてください
私は、瞑想・音楽・アートを通じて、人々の感性と意識をひらく活動に取り組んでいます。
具体的には、日本古来の精神性と現代の知恵を融合したヒーリングプログラム「癒氣(ゆうき)」や、「縄文瞑想」といった体験型プログラムを開発・提供しています。
これらは、まず自分自身と深く向き合い、“内なる静けさ”とつながることによって、他者との共感や響き合いが生まれる、そんな信念のもとに行っているものです。
また、一昨年、外務省や国連日本政府代表部のバックアップを受け、ロサンゼルスやニューヨークにおいてイベントを開催することができました。この様な日本発のコンセプトを世界へ広げる活動も進めています。 “正しさ”を主張し合うのではなく、“響き合う関係”=Mutuality を育むことこそが、社会課題の根本的な解決につながると信じています。 私の愛dea(愛のあるアイデア)は、「白か黒かではなく、“すべてをいったん受け入れる”グレーの感覚を尊重すること」。
これは、日本人が自然に持っている感性であり、世界の分断を超えるヒントになると考えています。
今後も、アート・エンタメ、そして教育などを通じてこの感覚を育み、人と人、人と自然が響き合う社会の実現に向けて、活動を広げていきたいと考えています。
Q5 今後の展望を教えてください
「響」をテーマに、人と人、心と心がつながる場を、より広く世界へと広げていきたいと考えています。
具体的には、「縄文瞑想」、ヒーリングプログラム「癒氣(ゆうき)」などを通して、自分自身と深く向き合い、他者との関係もより豊かに育んでいけるような体験を、世界中の人々に届けていきたいと思っています。
また、これらのプログラムを体系化し、同じ想いを持つ仲間とともに伝えていくための人材の育成にも力を注いでいきます。
日本に古くから根づく心の知恵や感性を、海外にも届けながら、世界中の人々と“響交(ひびきかわす)”ことのできる場を共につくっていけたら嬉しいです。
そして、今年2025年、シンガーソングライター・DAIさんとの共同プロジェクトとして、クラウドファンディングを立ち上げます。このプロジェクト“TAMENI Project”のゴールは、「武道館ライブ」と「グラミー賞受賞」。
一見すると大きな目標に思えるかもしれませんが、そこにあるのは「響」という共通のテーマ。日本発の共存・共生の精神を音楽で表現し、世界や地球の平和に貢献するという思いが込められています。これまで行ってきた音楽プロデュースやイベント制作の経験も活かしながら、日本の精神性を世界へ発信し、日本人自身にもその価値を再認識していただくことを大切にしています。
また、この活動を日本国内にとどめることなく、海外にも広げていきたいと考えています。
2年前には、外務省のバックアップを得てロサンゼルスとニューヨークにて瞑想会を開催しました。
現地では、意識の高い参加者が多く、非常に前向きに受け入れていただけたことが印象的でした。今後も、定期的なアメリカでのイベント実施を目指して、準備を進めているところです。
日本では、こうした取り組みがいまだに「スピリチュアル=怪しい」と捉えられることもありますが、本来これは誰にとっても必要な“意識と感性の教育”であり、“共に響き合う生き方”を広げていくための大切な活動であると、私は信じています。
Profile
- 音楽プロデューサー・メンタルコーチ・ミュージックセラピスト
- 1963年生まれ 名古屋市出身
- 大学在学中より、多くのTV・ラジオのCM音楽を制作。
- 大学卒業後は、財団法人ヤマハ音楽振興会にてポピュラー音楽指導ディレクターとして音楽教育法の研究および講師の研修を担当。
- その後、音楽ディレクター/プロデューサーとして数々のアーティストの音楽制作を手がける。
- 今までに制作に携わったアーティストはCAPSULE、Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ、Jungle Smile、手嶌葵、坂本龍一、古澤巌、吉田兄弟、Amy Hanaiali’i、One Voice Children’s Choir、Xia Vigorなどジャンルを問わず多岐に渡る。
- その他、1996年パプア・ニューギニア、ソロモン諸島で行われた国際交流基金後援、外務省各大使館主催による日本人初の公演に制作兼ギタリストとして参加。1998年長野オリンピックの表彰式音楽などの制作。そして、ハワイでの最大のイベント「Lantern Floating Hawaii」においては音楽監督を20年以上務めるなど、各種イベント、映画、テレビ番組、CM などの音楽制作を長年行う。
- 音楽制作以外にもイベント プランニング、執筆活動、講演、ラジオMC などその活動は幅広く、
特にその中でも長年にわたって、心理学、脳科学などを学び、メンタルコーチの技術を習得した、その知識を元にした執筆・講演活動が多い。執筆に関しては音楽専門誌としては日本で最大発行部数を誇る“サウンド&レコーディング・マガジン”に「音楽クリエイターのためのイメージ・トレーニング!」を2年間に渡り連載、また、ワニブックスより「あなたの仕事はなぜつまらないのか~人生が500倍楽しくなる妄想力~」を出版。その他「GQ Japan」、「婦人公論.jp」など多くの雑誌に寄稿をしている。 - 講演に関してはロス・アンジェルスの南カリフォルニア大学(USC)において「日本のエンターテイメントビジネスについて」の講演の他、日立ソリューションズ、DENSO、IBM、事業構想大学院大学などの企業や教育機関での講演も多い。
- また、東京大学原田・牛久研究室との「AIによる音楽生成のプロジェクト」の共同研究を開始。活動の幅は多岐に渡る。
2023年には、海外に対しての日本文化の発信とメンタルヘルスの切り口を合わせた「禅と音楽療法」のイベント“Find Your Zen”を米国で実施。ロスアンゼルスにおいてはJapan House Los Angels(外務省)主催、またニューヨークでは国連日本政府代表部の後援を得て行い高い評価を得る。 - 株式会社イノベーション 代表取締役社長
株式会社イノベーションクリエイティブ 代表取締役社長
WorldCore America Inc. CEO
書『響』への想い
一響き合うことで、調和していく一
人と人、心と心、そして命と命が共振し合うことで生まれる、目には見えないつながりの美しさと力強さを、この書に込めて表現しました。
現代社会は、情報の波に押し流され、効率や正解ばかりが求められる中で、私たちはつい、自分自身の感性や本来の意志を見失いがちです。
だからこそ今、「響き合うこと」が、私たちにとって最も大切な営みだと、中脇さんの志に触れて強く感じました。
その“響ぎ”は、
誰かの言葉に心が揺れた瞬間、
自然の中で深呼吸をしたとき、
静けさの中でふと涙がこぼれたとき、
か安らぐ音に旬まれたとき、
日々の暮らしの中に、確かに存在しています。
まず、自分自身と深く向き合い、そこから他者とつながっていく“内なる響きの大切さ。
響き合いは、共感を育み、争いを手放し、いのちの本質を思い出すきっかけとなっていきます。
中社長の志、「響」が、誰かの心にそっと触れ、静かに波紋のように広がっていくこと。
そして、世界中の人々と「響交(ひびきかわす)」文化が育まれていくことを願い、心を込めて筆を走らせました。
書道家 早矢加