つばさホールディングス株式会社 代表取締役猪股浩行
「浩」の志に迫る。

あなたにとって「志」とはなんですか?

私にとって「志」とは、学んだことや吸収したことを人のために還元していく流れのようなものです。
誰かの役に立ち、喜んでもらえること、その想いが「志」だと思います。

Q1 志を漢字一字で表してください

私の志を表す一字は、両親がつけてくれた名前の一文字でもある「浩」です。
「浩」には、水が豊かにあふれて広々とした、雄大で堂々とした姿という意味があります。そこには、広い視野を持ってリーダーシップを発揮できる人になってほしい、そんな願いが込められているのだと思っています。
さらに「浩」を分解して考えると、より深い意味が見えてきます。
「さんずい」は水を表し、成長に欠かせない存在であり、形を変えて必要な場所へ流れ込み、物事を導いていきます。
一方の「告」には、広く人に真実を伝えるという意味があります。
つまり「浩」という字には、水のように柔軟に形を変えながら、必要としている人に道を示し、真実を伝えていく、そんな思いが込められていると感じています。
志を色にたとえると、限りなく透明に近いブルーですね。澄んだ青は清らかでありながら、奥行きや広がりを感じさせてくれる色です。
もし私の志「浩」に触れることができるとしたら、その温度は38度くらいの、人肌に近いぬくもりをイメージします。冷たすぎず熱すぎず、安心感を与えながら自然に寄り添ってくれるような心地よさです。
また、重さでたとえると、それはやはり「水」に近いと思います。重すぎず軽すぎず、自在に広がっていく質感。そしてその量は、世界全体を、地球を覆うほどの広がりを持っている。手で持つことはできなくても、確かにあまねく存在している、そんなイメージが、私の志「浩」と重なります。

Q2 事業内容
①WHAT
②WHY
③HOW

① WHAT
会社が存在している意義 / 何を解決するための誰のための事業なのか

事業の最初の原点は、偶然の出会いから始まりました。
営業職を休んでいた時期に、たまたま運送会社の引っ越し事業を手伝ったことがきっかけです。
お客様のご自宅に伺い、直接コミュニケーションをとる中で「これは運送業ではなく、サービス業だ」と実感しました。荷物を運ぶだけでなく、お客様の思い出や人生の節目を支える役割があることに気づいたのです。そこから「アクティブ感動引っ越しセンター」を立ち上げたのが事業の第一歩でした。
現在は引っ越し業にとどまらず、物流・車両整備・リユースセンターなどへと事業を広げています。
私たちの事業は単に「モノを運ぶ」ことを目的としているのではありません。
誰かが想いを込めてつくったものを、必要としている人の手元に確実に届ける、その役割を担っています。
物流や引っ越しは、人生や社会の節目に深く関わる仕事です。
お客様にとって大切な家財や思い出を預かり、安心とともに届けること。また、食品や生活必需品を冷凍・冷蔵のコールドチェーンで運ぶことは、人々の暮らしを支える根幹です。
私たちが解決したいのは「物流が止まることで社会生活に支障が出る」という課題です。特に中小企業の後継者不足や2024年問題などにより、物流業界は大きな危機に直面しています。だからこそ、必要な時に必要な人に必要なものを届け続ける仕組みを守り抜くこと。それが私たちの事業の存在意義です。

②WHY
その会社、事業はなぜ重要なのか

物流は社会にとって欠かすことのできない「縁の下の力持ち」です。
しかし、2024年問題や後継者不足により、多くの中小企業が廃業や事業継承の困難に直面しています。
もし物流が止まれば、食料や生活必需品は人々のもとに届かず、社会全体の暮らしに大きな支障が出てしまいます。
だからこそ、物流業界を「誇れる仕事」にしていくことが大切だと考えています。
私たちはモノではなく「人」に焦点を当てています。共に働く仲間一人ひとりが誇りとプライドを持ち、輝ける職場をつくる。その姿勢が社会の安心につながり、未来を照らす力になると信じています。
物流の仕事は、人の想いを運び、未来を支える仕事。
だからこそ大事であり、守り抜く価値があるのです。

③HOW
どのように実現するのか

私たちの事業は、単にモノを運ぶのではなく、「想いを込めてつくられたものを必要な人に届ける」ことにあります。これを実現するためには、まず物流を止めない仕組みを築くことが不可欠です。
具体的には、コールドチェーンを含めたトータル物流の仕組みを構築し、原料から製品になるまでを一貫して支援できる体制を整えています。そして、ただ効率化するのではなく、そこで働く人材を育て、チームとして成長していくことに重きを置いています。
物流の現場では、予期せぬ課題やトラブルが常に発生します。しかし、それを一人で抱えるのではなく、仲間と補い合い、支え合う組織をつくることが大切です。社員一人ひとりがかけがえのない存在であると認め合い、学び、成長を繰り返す。その積み重ねこそが、社会に貢献し続ける力になると考えています。
つまり、「人づくり」こそ、物流を未来につなげる最大の方法です。
仲間と共に成長し続けるチームを育てることで、必要なものを必要な人に届ける流れを守り、地域や社会に貢献していきます。

Q3 志事をする上で感じている社会課題を教えて下さい

私が強く感じている社会課題のひとつは、中小企業における人材不足と、それに伴う倒産や廃業の増加です。後継者が見つからず、長年地域を支えてきた企業が事業を継続できなくなるケースが増えています。
さらに物流業界においては「2024年問題」が大きな課題です。ドライバーの時間外労働に年間960時間という上限が設けられたことで、労働環境の改善にはつながる一方、「物が運べなくなる」という物流危機が現実味を帯びてきました。輸送能力の不足や長距離輸送の困難化、運賃の上昇、さらにはドライバーの収入減少といった影響がすでに表れ始めています。
少子高齢化による労働人口の減少も重なり、物流は今まさに社会の根幹を揺るがす課題に直面しています。だからこそ、知恵を絞り、新しい仕組みや人材育成を通じて、この社会課題に立ち向かっていく必要があると考えています。

Q4 上の社会課題の中で解決に向けて取り組んでいること、取り組んでいきたいことがあれば教えて下さい。また、解決に向けて良い愛dea(アイデア/愛のある発想)があれば教えてください

社会課題の解決に向けて、現在進めているのは「志ある共業のM&A」です。
同じ志や価値観を持つ企業と協業し、ともに未来をつくっていくことを大切にしています。
実務的な部分では、考え方を共有できる会社と連携し、時には株式取得なども含めてパートナーシップを築きながら、一緒に課題解決に取り組むことが重要だと考えています。単独では解決できない課題も、互いの強みを活かし合うことで前進できるはずです。
私にとっての「愛dea(愛のある発想)」は、単なる経営戦略ではなく、人と人、企業と企業が信頼と共感を基盤に結びつき、共に成長し続けることです。その中で働く人々が誇りを持ち、未来に希望を描けるような環境をつくることこそが、社会課題の解決につながると信じています。

Q5 今後の展望を教えてください

今後の展望についてですが、もちろん事業を進めるうえで数字は大切です。中期的にはグループ全体で売上100億円規模を見込んでいます。ただし、それはあくまで結果であり、数字や規模そのものを追いかけることが目的ではありません。
私が本当に大切にしているのは、志を持った仲間と共に社会課題の解決に取り組むことです。
荷物が運べなくなる時代の中で、どれだけ人や社会の役に立てるか。
その挑戦に思いを共にできるスタッフと歩んでいけることに、大きなやりがいとワクワクを感じています。
今後の展望の鍵は、宝探しのように「志ある人との出会いをどう広げていくか」にあると思っています。
また、私自身の人生の展望としては、現在56歳という節目を迎え、60歳までの数年間でこれまで築いてきたものを整理し、次の世代へしっかりとバトンを渡していきたいと考えています。「ぜひやらせてください」「挑戦したいです」と若い世代に思ってもらえる環境を整え、未来に手渡していくこと。
それが私の今後の大きな役割であり、展望です。

Profile

1969年生まれ 新潟県出身
高校卒業後、民間企業へ就職。
1982年 引越し事業を開始
2011年 高栄運輸株式会社の経営に参画
2016年 株式会社カーライフサービス多摩車両の経営に参画
2019年 つばさホールディングス株式会社の代表取締役に就任

現在は、つばさホールディングス株式会社をはじめ、グループ会社であるつばさロジスティクス株式会社やつばさモビリティ株式会社ほか数社の代表取締役を務めている

WEB サイト

書「浩」への想い

一水のように、柔らかく、広く、深く一

「浩」という字には、雄大に流れる水のようなエネルギーが宿っています。
水は形を持たず、器によって姿を変えながらも、どこまでも広がり、生命を育み、道をつくっていく。
「浩」とは、まさにその水のように、しなやかに変化を受け入れ、必要とする人のもとへ自然と流れ、
やがて大地を潤すように、人と人、そして志と志をつないでいく存在です。
猪股社長が大切にされている、「柔軟に生きる強さ」「真実を伝える誠実さ」「人を導き、社会を潤す優しさ」
そのすべての想いを一筆に込め、心を尽くして揮毫いたしました。

書道家 早矢加