株式会社宮崎塗装 代表取締役 宮崎嘉人
「心」の志に迫る。

Q1 志を漢字一字で表してください

私の志を漢字一字で表すと、「心」です。
この「心」は、私たちの会社の企業理念である「心に残る」という言葉にも込められており、日々の仕事の中で、社員一人ひとりが大切にしている想いでもあります。
お客様に対して、仕事に対して、仲間に対して、常に真心を込めて向き合うという姿勢を、会社全体で共有しています。
だからこそ、私にとっての「志」は、迷わず「心」という一文字になりました。
「心」という文字に色をつけるとすれば、オレンジ色です。
それは、どこか懐かしくてあたたかく、人への思いやりがにじむような色です。
もし触れることができるとしたら、体温より少しあたたかい、やわらかな温度を感じると思います。
軽すぎず重すぎず、“心地よい重み”があります。
それはきっと、志事に向き合ううえでの「責任」や「覚悟」の象徴なのだと思います。

Q2 事業内容
①WHAT
②WHY
③HOW

① WHAT
会社が存在している意義 / 何を解決するための誰のための事業なのか

私たちは、建設業に「心」という新たな価値を創造することを目的としています。
弊社の主な事業は、住宅のリフォーム業です。
毎日さまざまな現場で、改修工事や内装の施工などに携わっていますが、リフォーム業界は、飲食業のように「接客態度」や「心の通った対応」が評価されにくい業界だと感じています。
多くの場合、評価の基準は「安心・安全」「品質」「価格」「技術力」といった、いわば“目に見えるもの”に偏ってしまいがちです。
しかし、私たちはそこに「心の通った仕事」「相手を思いやる姿勢」といった“目に見えにくい価値”をきちんと届けていきたいと考えています。

②WHY
その会社、事業はなぜ重要なのか

仕事をするうえで本来とても大切なことなのに、業界の中ではあまり評価されていない価値だからです。
私自身、かつて下請けとして仕事をしていた頃は、お客様としっかり向き合いたくても、その機会がほとんどありませんでした。
でも、直接顔を合わせて仕事をする中でこそ、お客様との信頼関係が生まれ、心の通った対応ができる。それが本来の「あるべき姿」だと強く感じていたんです。
しかし、建設業界では「心」や「想い」といった部分は、成果としては見えづらく、評価の対象にもなりにくいのが現実です。
だからこそ私は、あえてその「心」に光を当て、大切にし続けることが、業界全体の価値を高める一歩になると信じています。リフォームという仕事を通じて、お客様に安心だけでなく、感動や温もりを感じてもらえるようなサービスを提供する。
それが、私たちの目指す事業のあり方であり、「心に残る」仕事を追求する理由です。

③HOW
どのように実現するのか

弊社では、建設業界の経験だけにとらわれず、あえて異業種出身のスタッフを多く迎え入れています。
たとえば、以前は接客業やサービス業に携わっていたスタッフが多く在籍しており、彼らは自然と「人の心を大切にする姿勢」を身につけています。
こうした背景を持つメンバーが集まっていること自体が、弊社の大きな強みです。
ただ工事をこなすのではなく、「どうしたらお客様が気持ちよく安心して過ごせるか」を常に意識して取り組む姿勢が、日々の現場でもしっかりと表れています。
小さな気配りや心遣いの積み重ねこそが、「心のある建設業」を実現する第一歩だと思っています。

Q3 志事をする上で感じている社会課題を教えて下さい

建設業は、現在の日本において大きな社会課題を抱えている業界の一つだと感じています。
まず、若者からの人気が低く、世間的なイメージもあまり高くはありません。
実際、建設業と聞くと「きつい・汚い・危険」といった、いわゆる“3K”のネガティブな印象を持たれる方が多いのも事実です。
もちろん、現場で働く姿を「かっこいい」と言ってくださる方もいらっしゃいます。
けれど、その裏には「話が通じにくそう」「荒っぽそう」といった業界特有の文化に対する偏見や、過去のイメージが根強く残っていると感じます。
そうした背景があるために、建設業界では今、人手不足と高齢化が深刻な問題になっています。
「現場の技術や伝統を継承していく人がいない」という危機感を、私自身も年々強く感じています。
建設業を“憧れられる仕事”として再定義していくことは、私たち現場の人間にとっても、社会にとっても急務だと思っています。

Q4 上の社会課題の中で解決に向けて取り組んでいること、取り組んでいきたいことがあれば教えて下さい。また、解決に向けて良い愛dea(アイデア/愛のある発想)があれば教えてください

私たちは、「建設業に“心”という価値を創造する」ことを通じて、業界のイメージを刷新し、社会課題の解決に取り組んでいます。
単なる“ものづくり”ではなく、「人の心に残る志事(しごと)」を目指すことで、建設業に対する社会的評価を少しでも高めていきたいと考えています。
実際、私たちの会社には、異業種から転職して建設業にチャレンジする仲間が多く在籍しています。
接客業やサービス業など、これまでまったく違う分野で働いてきた方々が、「人の心に寄り添う仕事がしたい」という想いを持ってこの業界に飛び込んできてくれることは、私たちにとっても大きな希望です。
また、中小の建設企業ではまだ珍しい「新卒採用」にも積極的に取り組んでいます。
その結果、「心を大切にする」という私たちの価値観に共感してくださる若い世代の方々から、想像以上に多くの応募をいただけるようになりました。
これは、建設業という仕事に対する世の中の見方が、少しずつ変わってきていることの証だと実感しています。
“愛のある発想=愛dea”としては、業界の外から人材を受け入れるだけでなく、「業界の中からも、志ある職人を育てる」環境づくりが今後ますます重要だと思っています。
技術と同じくらい、「心の在り方」や「人との向き合い方」を大切にする研修制度や教育の仕組みを整えていくことで、持続可能で魅力ある建設業を次世代につないでいきたいと考えています。

Q5 今後の展望を教えてください

これからも、「人の心に残る」という理念を大切にしながら、建設業のイメージを少しずつでも変えていきたいと考えています。
建設業といえば、“きつい・汚い・危険”というマイナスな印象が根強く残る業界でもありますが、私たちはそこに“あたたかさ”や“思いやり”といった人間らしい価値をしっかりと根づかせていきたいと思っています。
そのためには、まず社内の環境整備が欠かせません。
若い世代が憧れを抱ける業界にするために、働きやすい環境を整えると同時に、「なぜこの仕事に誇りを持てるのか」ということを丁寧に伝えていく発信力も強化していきます。
将来的には、「心」という価値観を軸にした建設会社として、地域に愛され、全国に誇れる存在になりたいです。
ただ家をつくるのではなく、そこに住む人の心を豊かにできるような“志事”を届けていける会社であり続けたいと思っています。

Profile

1995年4月1 日生まれ

WEB サイト

書「心」への想い

一 真心が残る志事一

人に寄り添うやさしさと、志事に向き合う責任と覚悟。
その「心」が、誰かの記憶にそっと温かく残っていくような、そんな志事のあり方を、この一文字に託しました。
人だからこそ届けられる価値。
それは、頭でも技術でもなく、まずは人の「心」から生まれるものだと。
宮崎社長の志に触れたとき、私は強くそう感じました。
「人の心に残る」という想いが、これから先の未来にも静かに息づき、やがて誰かの「心」にも響き続けていくことを願って、筆を走らせました。

書道家 早矢加