株式会社コミュニティーアーティスト 代表取締役福井英人
「繋」の志に迫る。
あなたにとって「志」とはなんですか?
直感的な答えになりますが、私にとって志とは「自分が何に命を使うのか」という問いへの答えです。
命を使う指針、それが志だと考えています。私は自分の人生を何のために使うのかを決めており、その選択こそが志です。
「人のために生きる」と決めることは、簡単なことではありません。未熟で、ひねくれた部分も残る自分ですが、それでも温かい人間になりたいと願い、日々努力しています。
志とは──命を使う指針であり、人のために生きると決めた証。
これまでの出会いと経験が、私にその答えを与えてくれました。
Q1 志を漢字一字で表してください
「志」を一字で表すならば、私は 「繋(つなぐ)」 を選びます。
医療に携わる者として命をつなぐことはもちろんですが、人の思いや意思もまた時代を超えてつながれていきます。坂本龍馬や吉田松陰のように、若くして命を閉じてもなお、その志が永遠に生き続けているのは、思いが人から人へと受け継がれているからです。今の社会は分断が多く、人と人、過去と未来、地域や世代のつながりが希薄になりがちです。だからこそ私は「繋」ことを自らの使命とし、良い意思を残し、命をつなぐことを志としています。
私の志「繋」を色で表すならば、 オレンジ です。会社のイメージカラーでもありますが、みかんのような黄色に近い明るいオレンジを思い描きます。あたたかさや希望を感じさせる色だからです。温度で表すなら、人肌のぬくもり。熱すぎず、冷たすぎず、人と人が触れ合うときに感じる安心感のある温度です。重さにたとえると、手をつないだときの軽やかさ。重荷ではなく、支え合いながら一緒に歩むような、心地よい重さだと感じています。
Q2 事業内容
①WHAT
②WHY
③HOW
① WHAT
会社が存在している意義 / 何を解決するための誰のための事業なのか
私たちの事業の目的は、「誰もが命を輝かせられる社会を実現すること」です。
人間は唯一、自らの生きる意味を定めることができる存在です。にもかかわらず、「自分は何のために生きているのか」と答えられない人が多い現実があります。私は数多くの高齢者を見送る中で、「健康で長生きしたい」と言いながらも、その先にある目的を語れない方が少なくないことを痛感してきました。
だからこそ私たちは、薬局や医療を提供するためだけに存在するのではなく、人が自分の命の意味を見つけ、最後まで自分らしく輝けるように支える事業を行っています。
在宅医療の支援や地域の健康づくりに取り組むのも、その目的の一部です。住み慣れた場所で安心して暮らせる環境を整え、医療・福祉を通じて一人ひとりの人生が「何のために生きるのか」と誇りを持って語れる社会を目指しています。
②WHY
その会社、事業はなぜ重要なのか
私たちがこの事業を大切にしているのは、人間は唯一「自分の命を何のために使うのか」を自ら定められる存在だからです。にもかかわらず、その問いに答えられずに生きるのは、あまりにももったいないことだと感じています。
医療の現場では、病気や死と向き合うことが多くあります。その中で「死」をきっかけに命の意味を見直す方が少なくありません。たとえば、末期がんを抱えながらも「残された命を誰かのために使う」と決めた方がいます。その瞬間から生き方が定まり、むしろ命が輝き、前向きに活動を続けられるようになったのです。私たちの理念は「誰かの幸せに貢献し、命を輝かせ、ともに幸せな未来を創造する」こと。病気を単なる不幸としてとらえるのではなく、ときには命の意味を定めるための“ギフト”として受けとめることもできるのではないでしょうか。
医療はまさに命と向き合う現場です。だからこそ、命の意味を見出し、命を輝かせるきっかけを提供できるこの事業は、非常に大きな意義を持っていると考えています。
③HOW
どのように実現するのか
私たちは、病気や誰かの死をきっかけに「生きるとは何か」を問い直す場をつくり、その気づきを社会に広げていくことを大切にしています。
具体的には、末期がんの方と共に仕事をしたり、シニアを積極的に雇用しています。
年齢や病気を理由に「もう活躍できない」と決めつけるのではなく、むしろ人生経験を活かして生き生きと働ける環境を整えることで、一人ひとりが命を輝かせられることを実証しています。
また、その取り組みを地域に発信するため、毎月健康セミナーや勉強会を開催しています。ときには80代の方に登壇していただき、「年齢を超えて活躍できる姿」を地域に示し続けています。
この活動は私たちだけでは成し遂げられません。医療機関との連携はもちろん、企業そのものが「人の生きがいに命を吹き込む存在」になれるよう、多様な企業と協力し合うことを目指しています。同じ理念を持つ仲間とつながりを広げ、社会全体で「命を輝かせる事業」を実現していくことが、私たちの挑戦です。
Q3 志事をする上で感じている社会課題を教えて下さい
私が志事をする上で最も大きな社会課題だと感じているのは、「無関心との戦い」です。
無関心とは、相手や社会とつながる接点を持たないこと。関心の範囲が「自分だけ」に閉じてしまうのも、ある種の無関心だと思います。今では携帯電話の中で一人でも楽しめてしまう時代です。その結果、友人や家族、地域社会との関わりが希薄になり、他者への関心が失われていく。これはとても強烈で根深い課題だと感じます。
例えば、アパレル業界が自らの廃棄が環境に与える影響に無関心でなければ、現状は変わっていたかもしれません。介護や育児の問題も、家族や地域、住民一人ひとりが関心を寄せれば、状況は大きく改善できるはずです。
だからこそ、無関心さとの戦いは、社会全体にとっても、私自身にとっても大きな課題だと考えています。
Q4 上の社会課題の中で解決に向けて取り組んでいること、取り組んでいきたいことがあれば教えて下さい。また、解決に向けて良い愛dea(アイデア/愛のある発想)があれば教えてください
無関心という社会課題に向き合うために、私が大切にしているのは 「伝播活動」 と 「仲間を創ること」 です。
まず、発信すること。
今日こうして志を語ることも発信の一つ。世の中には本当に素敵な人たちがたくさんいるのに、散らばって分断され、微力のままになってしまっているのが現状です。
だからこそ、一人ひとりの思いや力を集め、大きな「元気玉」をつくるように発信し続けたいと考えています。
そしてもう一つは、仲間を創ることです。同じ理念を持つ人だけでなく、「人が不幸になっていいとは思わない」という思いを共有できる人たちなら、誰もがつながれるはずです。小さな輪が広がり、「今のままじゃまずい」と多くの人が声を上げれば、社会は必ず変わると信じています。
私自身、もともとは人付き合いが苦手で一匹狼のような存在でした。それでも、出会いや学びを重ねる中で、人とつながることの力を痛感しました。だからこそ、これからも地道に仲間を増やし、志を伝え合いながら、無関心を乗り越えていきたいと思っています。
この活動はすぐに結果が出るものではありませんが、時間をかけて仲間を増やしていけば、必ず社会を変えられると信じています。それが、私が命を懸けて取り組みたい「愛のあるアイデア」です。
Q5 今後の展望を教えてください
私の今後の展望は、薬局事業にとどまらず、「命を輝かせること」を目的とした事業を幅広く展開していくことです。
その一つが「生きがい創出事業」です。人生100年時代を迎える中で、定年後に社会との接点を失い、生きがいを見失う人が少なくありません。そこで私は、AI教育などの新しい取り組みを通じて、働きながら社会とつながり、役立ち、収益を得る経験を広げていきたいと考えています。これは単なるスキル習得ではなく、誰もが人生の後半を自分らしく羽ばたけるようにするための挑戦です。
そして、究極のビジョンは『日本を再び美しく誇り高い国へとする』ことです。
私たちは、改めて日本文化の価値や精神性の素晴らしさを見直し、世界の中で積極的な役割を果たしていく使命があります。また八百万の神と共に生きていた私たちは世界中のどの民族よりも調和に長けています。世界が分断されている今だからこそ、私たちの役割は大きいのです。
その為にも日本がしっかりと自立し、持続可能性を持つことが大切です。
民間だからと諦めず、民間だからこそ出来ることを沢山の地域企業をはじめとする心ある人々と共に創り上げていくのです。
Profile
- 株式会社コミュニティーアーティスト 代表取締役
一般社団法人経営実践研究会 世話人1981年東京⽣まれ。
2020年に株式会社コミュニティーアーティスト創業。
現在、東京と山梨で調剤薬局を2店舗経営。
2016年、⼀般社団法⼈経営実 践研究会の創業メンバーとして活動開始。
2020年、⼀般社団法⼈経営実践研究会の世話⼈就任。
2021年、一般社団法人日本未来企業研究所における第3期未来創造企業認定。
『私たちは微⼒ではあるかもしないが無⼒ではない。微⼒も結集させることで国と未来を より良くすることができる』という信念のもと、多くの地域企業の経営者と共に未来を創り出すべく活動中。
書「繋」への想い
一命、志、生きがいを「繋」ぐー
「繋」という字には、命を受け継ぎ、想いを結び、未来へと響かせていく力が宿しています。
過去から受け取った命と志を、今という時代で磨き、次の世代へと手渡していく。その連なりの中にこそ、人の存在意義があり、社会をより良くする希望がある。 福井社長の志に触れ、強くそう感じました。
福井社長の掲げる「繋」は、医療に携わる者として命をつなぐだけでなく、人と人、地域と未来、そして志と志を結び合わせていく決意の象徴です。
その感覚を一筆に込め、「繋」を表現しました。
「自分の命を何のために使うのか」。
その問いと答えが、人と人の心を結び、未来を共に紡ぐきっかけとなることを願っています。
書道家 早矢加
