

株式会社ジェム・テクシア CEO長坂 五郎誠実な仕事で、安心安全な社会をつくる。
株式会社ジェム・テクシア長坂 五郎CEOの誠に迫る。

誠実に向き合うことで信頼が生まれる
私の志を漢字一字で表すなら「誠」です。
「誠実さ」はお客様が最も望んでいることでもあり、誠実な対応こそがお客様からの信頼を生み出していると思います。
なかには、お客さまが無知なのをいいことに、不当な料金を請求する悪質な会社も存在するんです。
実際に、私の同級生が校長に就任する際、管理会社から予算の3倍もの見積もりが届き、困って相談してきたことがありました。見積もりを確認してみると、明らかに詐欺といえるものでした。
当社では予算内で十分対応できたため、工事を引き受けることになりました。作業が完了して消防署の検査を受けると、前の会社が見過ごしていて非常用のバッテリーが使えなくなっていることも判明し、修理まで対応すると、同級生は非常に喜んでくれました。
やはり信用が大事なんです。我々は、お客様に安心を届けなくてはいけません。
100%失敗しないということはありませんが、失敗した際には迅速にアフターフォローを行うことを心がけています。これを長年やってきたからこそ、お客様から絶大なる信頼をいただけるようになったと感じています。

業界の風潮に疑問を感じ、起業を決意
大事にしているのは「コンプライアンス」です。
なぜなら、消防設備に関しては国の法律で厳密に定められており、法律に基づいて仕事を進める必要があるからです。
法律で義務付けられている理由は、人命に関わるからです。火災が発生した際に、例えば、火災報知器のベルが鳴らなかったり、避難誘導の放送が使えなかったりすると、その結果命を落とす方も出てしまいます。
日頃から社員には「人命を預かる仕事だから、決して手を抜いてはいけない。消防設備は、非常時には確実に機能しなければいけない」と伝えています。
ただ、正直なところ、我々の業界で法律を熟知して、適切に仕事ができている会社はほとんどありません。
これはおかしいと思い、上司に意見を述べたこともありましたが、なかなか受け入れてもらえませんでした。ならば、「自分で起業し、優秀な技術者を集め、コンプライアンスを守りながら仕事を進めていけばいいのではないか」と考え、株式会社ジェム・テクシアを立ち上げました。
大企業でなければ研修場をもつのは難しいのですが、当社は研修場を作り、コンプライアンスを守るために社員教育も徹底して行っています。

娘の言葉に救われ、今がある
現在に至るまで、大変なこともありました。独立した際には、私に仕事をさせないように前の会社に妨害を受けたこともありました。
また、倒産の危機に直面したこともありました。当社は上場企業との取引が多いのですが、当社がミスをしてしまい、何千万円もの損害賠償を求められたことがありました。大企業は簡単に支払って済ませられるのでしょうが、当時は現在の10分の1ほどの売上しかなく、到底支払える額ではありませんでした。
実家にもお金を借りに行きましたが、「自分でやったことだろ」と突き放され、資金も集まらず、「もう無理だ、自殺しよう」と三日三晩さまよったこともありました。
その時、携帯の電源を切っていたのですが、ふと電源を入れた瞬間に娘から電話がかかってきて「私も一生かけてこの困難を乗り越えるから、死なないで」と言われ、その言葉に涙が止まらず、立ち直る決心ができました。娘には心から感謝しています。
なんとか命を取り留め、ふと思い出したのは滝口長太郎氏の「打つ手は無限」という言葉でした。そして、担当者に何を言っても聞いてもらえないなら、社長に直談判してみようと決心したんです。
通常、大企業の社長は簡単には会ってくれないのですが、幸運にもお話を聞いていただくことができ、「それはうちも悪かった」と謝罪の言葉をいただきました。その後、さらに調査を進めた結果、某大手銀行の保養所、実際の損害額以上の金額を請求されていたことが判明しました。*現在某銀行は破綻しています。
社長からは「お金は払わなくていい」と言われましたが、当社にも過失があったのは事実で、私たちが6割を負担することで合意に至りました。その後、友人や知人からお金をかき集め、何とか支払いを完了させることができました。

お客様に喜んでいただけることが、何よりのやりがい
当初は消防設備という一つの業種に特化して、取り付けを専門に事業を展開していましたが、現在では建物に付随するすべての設備を当社で点検できる体制を整えています。
お客様から「ジェムさんに頼めば、何でもやってもらえるから楽」と思っていただけるように、消防設備、音響カメラ、給排水設備、省エネ事業、発電機と、幅広く設備の施工やメンテナンスを行っています。
シフト転換を図った背景には、BtoBの仕事をしたいという思いがあります。
お客様からの喜びの声こそが、仕事のやりがいなんです。
当社は、全国に数万人の社員を擁する大手管理会社グループの一員です。そのなかから、優れた社員が選ばれ表彰されるのですが、当社の多くの社員が表彰を受けています。大手管理会社だけでなく他のメーカーからも表彰されることもありますし、今ではメーカーにとって欠かせない存在に当社はなっています。
お客様のなかには「こんな素晴らしい人に管理してもらえて最高。この人以外に来てもらったら困る」と、言ってくださる方もいます。社員もそれだけお客様に認められていることを実感していると思います。お客様からのラブコールは大変嬉しいものですし、ご指名をいただけることは大きなやりがいになっています。

技術力だけでなく、人間力も育んでいく
当社の経営理念は「一流の技術、誠実な仕事、安心安全な社会は、ジェム・テクシアが創る」です。
人間力と技術力を駆使して、社会に安全と安心できる未来を提供するために、努力を惜しまず、挑戦を続け、結果を出すことで、皆が幸福になれると信じています。
また、仕事に対する価値観を社員全員で共有することも大切にしています。当社の社員は非常に仲が良く、これまで人間関係で揉めたことは一度もありません。
副社長が技術的な研修を行い、私は人間力を育む研修を担当しています。自分たちはこれからどのように社会に貢献していくのか。社会貢献することによって、自分の生活が保たれ、家族の繁栄にもつながるということを伝えています。
こうした研修を通じて、社員たちは着実にスキルや技術力を向上させ、次々と資格も取得しています。
スキルが上がった分は報酬として社員にしっかり還元していますし、給与も良くて休暇も大手企業並みに取得できて、こんなに良い会社が昔あったなら、私もぜひ働きたかったなと思います。

すべては「安全安心な社会を作る」ために
経営理念の根幹にあるのは、「安全安心の社会を作る」ということです。平成27年にはコンプライアンスに基づく非常用発電機の点検実施に向けた啓発活動や、点検技術者の教育を目的として一般社団法人日本発電機負荷試験協会を設立しました。
その背景には、東日本大震災の際に、点検の不備により7割の発電機が稼働しなかったという問題があります。この件で総務省消防局にクレームを言いに行ったのですが、「組織として来ないと受け付けない」と言われ、一般社団法人日本発電機負荷試験協会を立ち上げました。協会として話を進めていき、現在では、法律で発電機の負荷試験を行うことが義務付けられています。
日本で発電機の点検を適切に行える企業は、当社以外にありません。独自の技術を持っているのは、他の管理会社にはない強みです。ただ、当社は社員20名ほどの小規模な会社で、全ての仕事を独占したところで、全国的な普及にはつながりません。
そのため、日本全国で発電機の点検技術を学べるように、協会として学校を設立しました。
他社に技術を教えるなんて、とんでもない話ですが、安全安心な社会を作るためには、多くの人に技術を習得してもらう必要があります。日本には140万台の発電機が眠っている状態で、これを起こす必要があります。
点検を担える技術者の数は徐々に増えてきており、現在は5,000〜6,000台に対応できるようになりました。140万台にはまだ遠く及びませんが、伸びしろはいくらでもあります。
私の夢としては、発電機の点検を国家資格にしてほしいんです。国家資格を保有していないと点検ができないようになると、皆さんこぞって国家資格を取得し、コンプライアンス意識も高まると思います。
国に働きかけを行っているものの、実現するにはハードルも高く、現在は協会として資格を発行する形を取っています。

廃棄される消火栓ホースを有効活用したエコな取り組み
SDG’sの取り組み持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals」 17の項目の取り組みとして推進。
使用できなくなった消火栓ホースを活用した環境に優しい商品を作ろうと、消火栓ホースバッグの制作販売にも取り組んでいます。
消火器と消火栓のホースは、10年経つと交換しなければいけないと法律で定められています。しかし、10年間使わないで箱の中に入っているため、ほとんど新品の状態なんです。
これまで、これらのホースを産業廃棄物として処分してきましたが、再利用できないかと考えて生まれたのが消火栓ホースバックです。特許も取得しています。
高島屋や三越に革のバッグを入れてる作家にデザインを依頼しており、ホースで作られていると言われなければわからないほど、おしゃれに仕上がっています。内ポケットも付いているなど、女性デザイナーならではの女性らしい発想も人気の秘訣です。
消火栓ホースは軽くて丈夫で防水性に優れているため、さまざまな商品に活用できます。今後は、SDGsにも、積極的に取り組んでいきたいと考えています。



私の愛テムは、パソコンです。図面もこのパソコンで作成しています。
私はこの業界で50年近く働いており、生き字引みたいなところがあります。消防の方から「こういう場合はどうすればいいですか」と頻繁に電話で相談されることもありました。
消防官は消防法については知識がありますが、建築基準法には詳しくありません。その点、私は消防法だけでなく建築法や建築基準など幅広い法律に精通しています。
建築基準法は何が違うかというと、危険物の設置については消防が指導するのですが、その建築物に対しては建築家が指導するんです。消防の方は、ここを理解できてないんです。
消防官が必要だと思っているものでも、建築基準法に照らし合わせると実は不要なものもあります。例えば、消防からスプリンクラーの設置を指導されたものの、実は不要で移動式の消火設備で十分対応できたこともありました。
結果として何千万ものコスト削減につながることもありますし、できる限り負担を減らしたいというのが、お客様の思いです。
法律に沿って説明すれば消防官も納得してくれますし、図面を書いたり、見たりして頭を整理しながら仕事を進めています。
Profile
- 株式会社ジェム・テクシア
- CEO 長坂 五郎
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- 栃木県宇都宮市陽で生まれ
栃木県立宇都宮高等学校 電気科卒業
工業系電気工学科専門学校 電気科 電気設計や施工技術 卒業
- 栃木県宇都宮市陽で生まれ
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- 資格取得
第一種、第二種電気工事士・溶接士・消防設備士・防災管理士・防火管理者
青年期:バンド活動
※キャバレー、ライブハウス、デパート屋上、コンサート、バンド喫茶、企業周年記念での演奏、ダンスホール、オープン記念での演奏現役オヤジバンド活動中
- 資格取得
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- 電気工事業の会社に入社後から当時実兄の会社で人手不足から防災会社に入社
その後、自ら起業独立し株式会社ジェム総合設備を設立創業30周年を迎え社名変更
株式会社ジェム・テクシアに変更 創業現在37期
※General Equipment Manegement Technollogy Sincere ジェム・テクノロジー・シンシア建設設備・消防・電気・空調・住宅設備 設計施工管理・太陽光発電設備
- 電気工事業の会社に入社後から当時実兄の会社で人手不足から防災会社に入社
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- 本社:栃木県宇都宮市問屋町3426-18 Tel 028-567-7070
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- 埼玉支店:埼玉県羽生市南2-12-22 Tel 048-562-4081
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- 東京支店:東京都日本橋浜町3-36-5 日本橋浜町ビル5F Tel 03-6206-2991
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- 茨城支店:茨城県土浦市中高津1-21-3村上ビルI 202 Tel 029-879-9077
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